商品の背景について
なぜこの商品を創るに至ったか、当然のことながらよく聞かれます。
決定的なひとつの理由があったわけではありません。
自分の過ごしてきた環境や人との出会い、得意なこと、社会への思いがいくつも重なり温まったものなのです。
いつ終わるか分からない1度きりの人生、少しでも何かを残したい。長い間頑張ってきた方を労いたい。やたらエネルギッシュに過ごすことで、元気をなくしている人にも何かの始まりを感じてほしい。そんな気持ちがふんだんに混ざったものなのです。
社会への思い
日本は高齢者人口、高齢者就業率ともに過去最高です。日本経済を担ってこられた方々が 今も尚支えて下さいます。しかし、脳卒中などの後遺症で不自由な思いをする方がたくさんおられるのも事実です。衣類の着脱にストレスを抱え、職場復帰や外出さえ躊躇する、そんな二次的な障害を取り除くのは社会の役割だと考えます。
環境
私は、ものを創るのが好きな家庭で 色々なものを創って遊んで育ちました。衣類のリフォームや日曜大工など様々なジャンルで楽しみました。同時に、母のボランティア先の障がい者施設と関わり、そこで不便さを助ける道具に興味を持ちました。
出会いと気づき
その後、病院や施設に勤務し、衣類の着脱を含め、たくさんの不便に直面しました。
しかし、小さなアイディアでもピントさえ合っていれば 大きな問題を解決することがあると気づきました。
ある時、ポロシャツのボタンが出来ずに苦労する人がいました。それを解決したい一心でボタン周りに手を加えると、その人は即成功。これが「楽勝ボタン」の始まりです。その後はコツをつかんで、小さいボタンも出来るようになりました。
着やすいシャツは?
私の両親も高齢になり、肩の痛みが出て ものを作らなくなり、服の着脱も苦労するようになりました。また、自分自身の利き手の骨折によって 服の着脱問題は不便なばかりでなく、外出を諦めるきっかけになると知りました。「果たして片手で着やすいシャツはあるのか」と先々で探すようになったのです。
怪我をしていても、腕が伸ばしにくくても通しやすい袖。片手で容易なボタン。仕事にもお昼寝にも対応できるデザイン。何度探しても 見つかることはありませんでした。
年月が流れ、両親を含め高齢の方々に「待った」はないと悟り、この小さなアイディアを生かしたシャツを現実のものにして 少しでも社会を支えてきた方々の役に立ちたいと思いました。
企画と製造
有難いことに 何でも相談できる窓口、シャツの素材、縫製工場、大切な要素は地元の大阪に揃っていました。ボタンは本場の奈良にご縁がありました。
海外製造も一時は考えましたが、高い技術力を持った国産、且つ直接細かい相談が可能な地元の縫製工場に、掛け替えのない価値と信頼を見出したのです。
楽勝ボタン・前開きストレッチシャツ
現在、楽天市場で販売出来るようになりました。
ボタンを創って頂いた奈良の工場、シャツを縫って頂いた大阪の工場、アドバイスを頂いた医療・福祉関係の方、ご家族の方、私にきっかけや気づきを下さった方々、みんなの思いが詰まったシャツです。
お客様の声
「やっとめぐり合えたシャツ」。
お客様から頂いたメールにそう書いてありました。
以前の私のように、今どこかで着やすいシャツを懸命に探している方と早く出会って元気と感謝をお届けすること、そしてお客様の声をもっと詰めこんで、シャツと一緒に成長したいと思っています。それが私の社会への恩返しです。